紙問屋の浜田が入社した時に一番戸惑ったのは紙のサイズの読み方です。
「A判の~とってきてー」
(A判?A3やA4なら知っているけどA判ってなんぞや?)
「A判?なんですか?」
「紙の寸法や」
と教わったことがあります。そもそも紙の寸法A判は880×625mmというサイズなのですがなんでなのか?四六判というサイズに至っては788×1091mmと非常に覚えづらいのです。最近は新商品開発を多くしていましたが今日は紙のトリビア記事について記載します!
四六判について
四六判は788×1091mmというなぜこの覚えにくいサイズなのか?と思ったことが何度もあります。写真を見てわかるように実際に弊社が扱う紙の中でも非常に大きい部類に入るのが四六判です。調べてみると明治時代にイギリスから輸入されたクラウン判サイズの紙が由来なのです。輸入された紙の原紙が788×1091mmでそれまで一般的に使われていた美濃判の8倍もの大きさがありました。
それではなぜ四六判というのか?由来は?
それ以前に美濃で漉いた紙が使用されていた美濃判は1尺3寸×9寸(393mm×273mm)で明治維新を機に全国的に流通し四六判の原点になったとあります。先ほども述べたイギリスから輸入されるクラウン判が美濃判の8倍の大きさで大八つ判と呼ばれて重宝されると同時に印刷技術の向上とともに32面に断裁して化粧断ち(四辺を断裁)することによって4寸×6寸のサイズになったことから四六判と呼ばれるようになったのです。紙の業界に入ってずっと不思議だった謎が一つ解決しました。
菊判について
菊判のサイズは(636mm×939mm)は新聞用紙用に日本がアメリカから輸入した紙のサイズとなります。もともと明治の前半まではドイツから輸入した700×1000mmサイズの紙を使っていました。700×1000はキリがいいですね。
ウィキペディアには
・輸入紙の商標がダリアの花であり、ダリアは菊に似ていること
・この紙が新聞に使用されており、新聞の「聞」の字は「きく」と読むこと
・菊は皇室紋(菊花紋章)であること
商標にダリアの花が使われていて菊の花に似ていたこと。新聞用紙に使用されており「聞く」の字から菊判となった。菊は皇室紋章であったこととあります。普段我々紙問屋が何気なく菊判!と言っていますがそのような由来があったとは知りませんでした。菊判は書籍にも使用されるとありますが弊社で菊判はそれほどたくさん注文が入るサイズではありません。新聞紙や書籍使われているとは新たな発見がありました。
A判
880×625mmのA判ですが、もともとドイツのオズワルド氏が考案した規格が元になっています。国際規格サイズのためA4の書籍やコピー用紙など「A3、A4、A5」など巷に溢れています。A3A4はコピー機でよく使用するサイズですしA5のコピー用紙は薬局の領収書で使用することが多いサイズになります。もともとはドイツ由来のサイズということが分かりました。写真は感圧紙で使用する
B判
B判というのは日本由来のサイズになります。先ほどもでた美濃紙由来の寸法になります。B4サイズやB5サイズなど今でも日本のコピー機にも残っていますね。もともとは江戸時代由来のサイズになっています。
ハトロン判
ハトロン判は900×1200サイズです。もともと太平洋専用時に耐久性のあるハトロン紙は弾薬を包む紙として作られました。詳細は過去に記事を書いているのでこちらをご覧ください。
包装紙の茶色両更クラフト紙大きいハトロン判は割れ物を包む紙で通販で販売しています
まとめ
今回は紙の寸法について調べてみました。江戸や明治時代など歴史があることが分かりました。今後も紙のトリビアについて研究解説していきます。
この記事を書いたのは石川県金沢市にある1950年6月創業72年紙問屋浜田紙業(株)の浜田浩史です。浜田紙業(株)はメーカーの正規代理店で王子ネピアやカミ商事などの製紙メーカーと直接取引をしておりティッシュやトイレットペーパー、印刷用紙、魚を包む紙(グリーンパーチ)、バリアラップなど特殊紙、日用消耗品の卸売りをしています。
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