詰まりにくいトイレットペーパーとは?ほぐれやすさの違いや使用環境について解説します

トイレットペーパーを選ぶ際、「柔らかさ」や「コスパ」だけでなく、「水に流れやすいかどうか」も実はとても重要なポイントです。
特に、オフィスビルや商業施設などでは、排水設備のトラブル防止のために「ほぐれやすさ」に注目するケースが増えています。

今回は、トイレットペーパーの“ほぐれやすさ”について、紙の種類や構造の違いから詳しくご紹介します。

結論から言うと

・トイレットペーパーのほぐれやすさの基準はJIS規格に沿って製造されている
・ダブルよりシングルの方が詰まりにくい
・トイレットペーパーだけでなく、使用環境(こまめに流すなど)も重要

1. トイレットペーパーの「ほぐれやすさ」とは?

トイレットペーパーが水に溶けてほぐれる速度のことを「ほぐれやすさ」と呼びます。
水に入れてから紙がバラバラになるまでの時間が短いほど、詰まりのリスクが低くなります。

ちなみにトイレットペーパーは水に溶けているのではなく、水に浸けると重なり合っているパルプ繊維がほぐれるようにできています。上記の動画はティッシュとトイレットペーパーのほぐれやすさの実験です。

トイレットペーパーとティッシュの違いについて調べてみた。トイレに流せる理由は?
トイレットペーパーは水に流せるのになぜティッシュは流せないのか。????????????実験してみました!実験の結果を下記に記述しています!〇トイレットペーパーは水に溶けるのではなくバラバラに分解されている!?〇紙は繊維の集合体でできている...

2. JIS規格における「ほぐれやすさ」の基準とは?

トイレットペーパーには、JIS(日本産業規格)で品質基準が定められており、
その中に「100秒以内に水中でほぐれること」という明確な条件があります。

JIS P 4501(家庭用トイレットペーパー)では、以下のような項目が品質基準とされています:

項目 基準値
坪量(g/m²) 18以上
破裂強さ(10枚) 78kPa以上
ほぐれやすさ 100秒以内

この「100秒以内にほぐれる」基準を満たすことで、詰まりにくく、安全に使用できる製品とされています。

4.5

ほぐれやすさ ほぐれやすさの試験は,水300ml(水温20±5℃)を入れた300mlのビーカーをマグネチックスターラーに載せ,回転子(1)の回転数を600±10回転/分になるように調整する。その中に一辺が114±2mm角の試験片を投入し,ストップウォッチを押す。回転子の回転数は試験片の抵抗によって,いったん約500回転に下降し,試験片がほぐれるに従い回転数は上昇し,540回転までに回復した時点でストップウォッチを止め,その時間を1秒単位で測定する。ほぐれやすさの結果は,試験を5回行い,その平均値で表す。

引用元URL:https://kikakurui.com/p/P4501-2006-01.html#google_vignette

引用元:日本産業規格の簡易閲覧を参照

ただし、同じJIS基準内でも、製品やメーカーによって実際のほぐれやすさ(秒数)には差があるのが実情です。


3. パルプと再生紙の違い

とある製紙メーカーに聞いたところパルプより再生紙のほうがほぐれるという意見もあればWEB上の情報では、大差はない。という情報もあり見解が分かれるところです。

日本のトイレットペーパーはJIS規格にのっとって作られており、個々の商品ではさがあるかもしれませんが、大きな差はないのが実情です。むしろ使用方法、使用環境によって詰まりが解消されるケースもあります。(後述)


4. シングルとダブルの違い

  • シングルタイプ: 一枚構造で紙が薄いため、早く水と接触し、ほぐれやすい傾向があります。

  • ダブルタイプ: 二枚重ねで厚みがある分、溶けるまでに時間がかかる場合もあります。

使用量や水圧など使用環境によって異なるため、「ダブル=詰まる」とは一概には言えません。


5. 使用条件で変わる「詰まりやすさ」

ほぐれやすさは紙の品質だけでなく、以下の条件にも左右されます。

  • 一度に大量に流す

  • 節水型トイレで水量が少ない

  • 紙が湿ったまま長く残っている

このため、トイレットペーパー選びだけでなく、使用方法の啓発も重要です。

また、化粧室内に注意喚起の張り紙をするのも、有効な手段です。意識せず大量にペーパーを流す方に、まずは意識していただくだけでも効果が期待できます。

6 どのようなトイレットペーパーが良いのか?

正直な所を申し上げると使用環境によって変わってくるので一概に「このトイレットペーパーは間違いない」と言えるものでもありません。使用環境等に応じて使用してみる。としか言いようがないところがあります。その中でもダブルよりシングルの方が良い。というのも使い方次第で詰まりやすい場合は少量ずつ流すことをお勧めします。

企業等のトイレでは「詰まりやすいので少量ずつ流してください」と啓発するのも一つの手です。


【まとめ】

トイレットペーパーの「ほぐれやすさ」は、見落とされがちですが、実はトイレの快適性や設備保全にも関わる大切な要素です。
使用環境や設備に応じて、最適な製品を選びたいですね。

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