【物流DX】複数運送会社の運賃比較を自動化!GASで自製した「運賃比較システム」の開発秘話

本日は、弊社の物流業務に革命を起こした「運賃比較システム」の導入事例についてご紹介します。

運賃シミュレーション

物流コストの削減は、製造・卸売業にとって永遠の課題です。特に北陸三県(福井・石川・富山)を拠点とする弊社にとって、配送エリアや荷物の特性に応じた最適な運送会社の選択は、日々の利益に直結する重要な判断でした。

しかし、その「最適な選択」への道のりは、想像以上に複雑なものでした。

1. 現場を悩ませていた「運賃計算」の複雑怪奇なルール

弊社では北陸の法人顧客には、主に2社の運送会社を利用していますが、両社の料金体系を比較するには、いくつもの高い壁がありました。

  • 市町村単位で異なる「中継料」の壁 特にA社には、特定の市町村(山間部など)への配送時に基本運賃が30%~アップする「中継地域」が存在します。石川県の白山市や加賀市、福井県の大野市など、同じ市内でも町名によって中継料の有無が変わるため、ベテラン社員でも判断に迷うことがありました。

  • 「換算重量」の基準の違い 荷物のサイズ(3辺合計)を重量に引き直す「換算重量」の基準も会社ごとに異なります。例えば140サイズの場合、B社では24kgとして計算されますが、A社では20kgとして計算されるといった具合です。実重量とサイズ重量のどちらが採用されるかを都度計算するのは至難の業でした。

  • 変動する「燃油サーチャージ」 さらにB社には燃油サーチャージ(現時点で5%~)が加算されます。基本運賃だけで比較しても、最終的な請求額で逆転現象が起きることが頻発していました。

これらをすべて加味して「どちらが安いか」を判断するには、毎回電卓を叩き、分厚い料金表と中継地域一覧表を突き合わせる必要がありました。

2. Google Apps Script(GAS)による解決

この課題を解決するために弊社が選択したのは、**Google Apps Script(GAS)**を活用したWebアプリの自社開発でした。

高価なパッケージソフトを導入するのではなく、普段から使い慣れているGoogle スプレッドシートをデータベースとして活用し、そこにGASで計算ロジックを組み込む手法です。

開発したシステムでは、以下の項目を入力するだけで、瞬時に両社の最終運賃を算出します。

  1. お届け先の都道府県と市町村(プルダウン選択)
    運賃チェック

  2. 商品の適用重量(会社別に個別に設定可能)

  3. 個数
    運賃WEBアプリ

システム内部では、選択された市町村が「中継地域」かどうかを自動判定し、さらにA社には特有の「6個未満(小口)か、6個以上(特積み)か」による料金体系の切り替えも自動で行います。もちろん、B社の変動する燃油サーチャージも最終合計金額に反映されます。

3. 導入によって得られた3つの効果

この「運賃比較システム」の導入により、現場には大きな変化が現れました。

運賃シミュレーション

  • 判断スピードの劇的な向上 これまで数分かかっていた運賃比較が、わずか10秒足らずで完了するようになりました。出荷件数が多い日でも、迷うことなく最適なルートを選択できています。

  • コストの最適化 「中継料」や「換算重量」のミスによるコストの微増を完全に防ぐことができるようになりました。月単位で見ると、この数%の積み重ねが大きなコスト削減につながっています。

  • 業務の標準化(属人化の解消) 料金体系に精通したベテランでなくても、誰でも正確な比較ができるようになりました。新人スタッフでも初日から最適な発送手配が可能です。

4. おわりに:身近なツールで進める「現場のDX」

今回のシステム開発を通じて感じたのは、物流の現場にはまだまだITで解決できる「小さな不便」が眠っているということです。

大規模なシステム投資をしなくても、Google Workspaceのような身近なツールを組み合わせるだけで、現場の知恵を形にすることができます。弊社はこれからも、デジタルの力を活用して「より速く、より正確に、より低コストで」お客様に商品をお届けできるよう、業務改善を続けてまいります。

もし、物流コストの計算や複雑な配送管理でお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひ弊社の事例を参考にしてみてください。

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